吃音克服法―当院の考え方

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まず最初に私がお伝えしたい事は、「吃音は改善できる!」ということ。

当院が考える吃音の理論、「克服法」はとてもシンプル。
理論がシンプルだからと言っても奥は深いので、1週間で治せるというわけにはいきませんが、発語練習に時間をかけられる学生なら3、4ヶ月、仕事を持っている社会人なら10〜12ヶ月くらいの期間があれば、吃音を改善することは十分可能なのです!

吃音を改善するために最も重要で必要なことは、吃音を治そうとする意志の強さ・モチベーションの強さです。
吃音の程度、練習量や練習の質、吃音矯正理論の理解度、年齢、コツを身に付けるまでの時間等に個人差もありますが、諦めないで継続すれば吃音は必ず克服できます。

克服できない理由1

吃音を改善するためには正しい吃音認識、つまり吃音を正しく捉えることが必要です。
吃音を正しく捉えない限り吃音を治すことは、生涯出来なくなってしまいます。
「吃音は治せないものであって、吃音を治そうとする発想そのものが自分達を苦しめている」と考えて、お互いに励ましあう会も存在しますが、当吃音治療院では、治療を行なった7割以上の方の吃音が治っています。吃音が治らなかった残りの3割の方は、年齢が40歳以上で、少し、治すモチベーションと努力が足りなかった人たちでした。
もちろん、40歳以上の方でも努力出来る方は吃音を改善することが出来ます。

当吃音治療院で行なう吃音治療はとてもシンプルな理論とその実践的方法論を用いています。一般的に吃音治療は難しいと言われています。この考えにこそ落とし穴が待ち受けているのです。吃音の現象に着目し、吃音メカニズムの本質がわかれば、吃音治療は決して難しくはありません。
しかし、ほとんどの人が吃音を治すことが難しいのだから、治す方法も難しいものだと考えてしまいがちです。難しい方法を用いなければ、吃音を治せないものだと思ってしまっているのです。こちらがシンプルな治し方を提示すればするほど、素直に受け入れられなくて拒絶反応を示す人も数多くいます。難しい治し方よりもシンプルな方法で治せるならそれに越したことはないと考えているにも関わらず・・・。
吃音を治すには発想の転換が必要なのです。
ぜひ、柔軟な頭に切り替えて後の文章を読んでください。

吃音の原因を追究しても吃音は改善できない

近年、吃音に関する書籍も多数刊行されていますが、それらのほとんどが吃音の原因は幼児期の精神的ストレス、つまり心因性のものだと断定しています。
しかし実際にはそれだけではありません。
私は吃音症状のある方々を30年で1,000人以上治療してきました。
その臨床経験から、吃音の原因は心因性の他にも、模倣(吃るまねをしていた)によるものとか、環境による感化(家族に吃音者がいた)というものもかなりあるということを経験しています。

そして模倣、感化という原因から生じる吃音も、心因性による吃音も症状はまったく同じなのです。同じ吃音症状なら、模倣や環境による吃音も心理療法や催眠療法で治せなければおかしいではありませんか。そして、模倣や環境による吃音が心理療法や催眠療法で治らないのならば、心因性の吃音も心理療法や催眠療法では治らないということにもなります。
事実、吃音は心理療法や催眠療法で治せるものではありません。

吃音の3つの原因である「心因性、模倣、感化」というのは吃音の誘発原因にしか過ぎず、吃音の誘発原因をどれだけ深く探求しても、そこには吃音を治す手がかりは存在しません。

例えば、肺がんについて考えて見ましょう。肺がんになる主な原因はタバコの吸い過ぎだと言われています。タバコに発がん性物質が含まれているからです。タバコの吸い過ぎが、肺がんを誘発したのです。タバコを吸い過ぎた結果、肺がんが出来てしまったのです。
あなたがもし肺がんになったとしたら、タバコの吸い過ぎをやめれば肺がんが治ると考えますか。肺がんの原因がタバコにあっても、一度肺がんになってしまったら、肺に出来たがん病巣を外科的に取り除くか、抗がん剤を投与するか、あるいは放射線を照射するというように、がん細胞という病気の本質に対しての治療を迷うことなくするはずです。

吃音現象と吃音の本質

吃音も同じことなのです。吃音を治す手がかりは吃音現象の中にあるのです。
吃音現象の中にこそ吃音の本質が潜んでいるのです。
そもそも吃音現象は当たり前のことですが、言語発声時に起こります。
そして言語行動は精神活動と身体活動の両方を使った総合的な活動ですから、吃音は精神面と身体面の両面に渡って進行していく「病理」なのです。
「言いにくさ」というたった1つのきっかけが、あたかも池に落とした石によって出来た小さな波の輪が同心円状に大きく広がっていくように、精神的、身体的に交互に、次々と影響が波及してしていったものなのです。

吃音は「言いにくい音」を文節の最初の音で認識して、その音に対して苦手意識や「うまく言葉が出なかった」という経験を重ねることによって、予期不安を感じるようになり、発語に自信を失くしてしまうという心理的側面と、その心理的作用が次には身体面に影響を及ぼし語気が弱くなっていくという、心理的・身体的な複合現象なのです。

吃音現象はどこで起こるのか

吃音現象は、ほとんどが言葉を発する第一音目と文節の変わり目の第一音目に起こりますが、言語構造(日本語構造)に着目すれば、当たり前のことなのです。
言葉を話すという行動は、何を話すかを頭で考えて頭に浮かんだ自分の言いたい言葉を文節単位で発声器官を使って、言葉を音に変換していく作業なのです。
発声器官は楽器としての役割を果たしているのです。
発声器官は、咽喉(声帯)、鼻腔、口腔、歯、舌、唇等の音(声)を作る構音器官と、音の原動力を生み出す腹部(横隔膜筋)、そして息の出所である肺の部分から出来ています。

吃音現象を身体面から捉えると、言い始めにすでに発声器官の音を作る咽喉や舌や唇などに無駄な力が入っています。構音器官に無駄な力が入ってしまうと、音がうまく作れなくなるのです。手を握りしめたグーの状態で力を入れながらパーを出そうとするようなものです。
グーの状態からパーの状態にうつるためには、一度力を抜かなければならないのです。
言いにくい音、苦手意識のある音を出すためには、無意識ですが力が入っています。
音を出すためには、無意識に入っている力よりももっと大きな無理な、無駄な力を入れなければなりません。無理をして声を出そうとしているのですから、咽喉周辺に力が入り、意識も当然、咽喉周辺に集まります。腹筋を意識して使える状況ではなくなっているのです。
本来、息を押し出すために必要な腹筋が使われなくなるので、語気が弱くなります。
語気の弱い音が発せられると、聴覚、つまり耳でその音を聞き取って、自分の思っている声と違っていれば、脳で瞬時に判断して、もう一度同じ音を出そうとするのです。
吃音は脳の正常なメカニズムによって起こっているのです。決して脳に異常があるのではありません。

発声器官を楽器のようにコントロールする力をつける

問題があるのは、声を出す楽器としての発声器官を自分自身でうまくコントロール出来なくなっているということなのです。発語時の条件反射、つまり癖です。癖によって咽喉に力が入ってしまい、言いたい言葉を正しくスムーズに、瞬時に音に変換することが出来なくなっているだけのことなのです。

歌を歌う場合に吃らないのは、歌うときには発声器官が楽器としての役割が正しく出来ているからです。音の原動力を生み出す腹筋が正しく機能しているのです。従って、話すときにも、正しく腹筋を使うことが出来れば、普通に話せるようになるのです。

当吃音治療院では、単音腹圧発声法と文節リズム発語法という二つの発語法を使って段階的に吃音を治します。とてもシンプルな方法ですが、訓練次第で、腹筋が正しく使えるのでしっかりとした声が出るようになり、リズミカルで流暢な話し方が出来るようになります。
吃音は1年以内で十分改善できる「癖」なのです。

まずはお気軽にお問い合わせください。 お問い合わせは090-1438-4539まで メールでのお問い合わせはこちら

吃音・どもり矯正治療専門 杉吃音治療院

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