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こちらのページでは、
みなさんから寄せられるよくある質問や、レッスンについての疑問を集めました。
ぜひ参考にしてみてください。

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吃音は癖ということですが、心理的なものではないのですか?

言葉を話すという行為は、思考した言葉を音に変換していく作業であり、精神活動と身体活動の両面を合わせ持っています。
吃音で問題になるのは、あくまでも「言いにくさ」という感覚です。「言いにくさ」を起こす感覚がどこから来るのかと言えば、咽喉に力が入った状態で無理に発語しようとするからであり、潜在意識に間違った発語パターンがインプットされてしまった結果、条件反射として吃音が起こるのです。
 
心理的要素である苦手意識や発語に対する予期不安は、「言いにくさ」の感覚を持ちながら発語することによって、実際に言葉が出にくかったり、詰まったりするという経験を繰り返す間に生まれてくるものです。さらに、電話や人前で吃るのは、自分の弱点と考えている吃音を他人に知られたくないという心理状態や自己防衛本能という深層心理が働くことによって、苦手意識や予期不安がより高まり、交感神経が過剰な緊張を起こすからです。
 
したがって、吃音を治す為にまず最初にしなければならないことは、「言いにくさ」のある音が、間違った発声法になっているいうことを認識し、腹圧をかけながら発語することで咽喉周辺に入る無駄な力が抜けていくという感覚を単音腹圧発声法という方法を用いて実感することです。咽喉に力が入り、腹圧がかからない発声法がいつの間にか習慣化してしまい、悪い発声法が身についてしまったために、「言いにくさ」を感じるのです。
腹圧をかけながら咽喉周辺に入る無駄な力を抜く単音腹圧発声法を訓練すれば、不思議と「言いにくさ」を感じることなく、音(声)を出せるようになります。
 
「言いにくさ」が無くなれば、しっかり音(声)が出せるようになるのですから苦手意識や予期不安も解消します。
人前であがるのは、吃音者だけではありません。注目が集まれば誰でも緊張するのは当たり前のことなのです。ただ、緊張しても正しい発声法になっているので、言葉が出るだけのことなのです。そして、誰でも人前に出ることが頻繁になれば、場馴れをして、緊張の度合いも下がってくるのです。

吃音治療と東洋医学とはどんな関係があるのですか?

東洋医学には病気を治すための独特の治療理念があります。例えば、ツボの概念です。
 
体表には全身で700以上のツボがあります。内臓のどこかに異状があれば、その反応点であるところのツボに痛みが表われます。要するにツボに歪みが表われるのです。そして、痛みが表われたこのツボを直接治療ポイントとすることもあれば、経絡というツボとツボを 結んだ線上に流れている気のバランスを整えるツボを使って治療を施したりすることもあります。
 
東洋医学の治療理念では、ブラックボックスである体内の異状が必ず、体表に表われるので、ブラックボックスの中身がどうなっているのか調べる必要はありません。内部の異状が現象として体表に出てくるからです。
 
まさに吃音において、この考え方が当てはまります。ブラックボックスである脳をどんなに調べても治療法は探し出せません。吃音においては、声をツボに置き換えて考えて見ると、吃音の治療法が浮き上がってきます。
 
吃音症状のある人が発語した一音一音を細かくチェックしていくと、音が不揃いであることが分かってきます。発語に不安があるために、音が正確に出ていないのです。「言いづらい音」が出ないことは当然ですが、多くの場合、「言いづらい音」の前の語気が弱く音が歪んでいます。「言いづらい音」に対して苦手意識を持ちながら発語するために、前音も正確に発音出来ていないのです。
このように吃音は、音声面から治療ポイントを探していくことが出来るのであり、東洋医学の治療理念で治せるということなのです。

吃音をどのようにすれば改善できるのですか?

吃音を音声面から捉えて、音の歪みを整えていくことを主眼において吃音を治していきます。言い始めの音の「言いにくさ」は、咽喉周辺の発声器官に無理な力が入り、なおかつ、腹圧がタイミングよくかからないことに起因します。「言いにくさ」の感覚が生まれたときに、この条件反射が出てきます。
 
咽喉に無理な力が入ることと、腹圧がかからないことは同時に起こります。何故なら、咽喉周辺の力と腹圧は拮抗関係にあるからです。
意識が、力の入っている咽喉周辺にあれば、腹圧をかける意識は生まれて来ないのです。
 
逆に、先に腹圧をかけた状態を作っておいて「言いにくさ」のある音を出せば、「言いにくさ」を感じることもなく、なんなく音(声)が出せることに気付かれるでしょう。
具体的にやり方を教えますから、実験してみてください。
 
まず、仰向きに寝ます。そして、体を起こす(頭を少し持ち上げる)タイミングで「言いにくい」と感じている音(声)を出してみてください。簡単に音(声)が出ます。
 
普通、人は腹圧をかけて音(声)を出しているのです。もちろん、無意識的に発語時に行われているのです。
杉吃音治療院では、初めに単音腹圧発声法という方法を使って、腹圧をかけながら声を出す訓練を行います。「言いにくさ」をなくし、音(声)の歪みを整える発語練習です。
 
この単音腹圧発声法を習得した後で、次に文節リズム発語法の訓練に入ります。
この訓練は、訥訥としたしゃべり方を流暢なしゃべり方に変えていく方法です。
習得すれば、滑らかに言葉が出てくるようになります。

吃音が治った人は再発しないのですか?

吃音症状を持つ多くの人は、体調に波があるように、吃音にも波があると言います。これは、言葉を無意識的に出していることに原因があります。
杉吃音治療院では、発語をコントロールする力を身につけて、意識して言葉が出せるようになりますから、一度習得してしまえば再発することはありません。

吃音はどれくらいの期間で改善できるのですか?

吃音の程度、練習量や練習の質、吃音矯正理論の理解度、年齢、吃音を治すモチベーションの強さ等、個人差はありますが、発語練習に時間をかけられる学生の方なら3ヶ月から6ヶ月、仕事を持っておられる社会人の方なら、10ヶ月から12ヶ月くらいで、十分改善することが出来ます。

どのくらいのペースで通うのですか?

基本的には週1回のペースで通うことが理想的です。毎回行うレッスンには課題を設けていてます。そして、レッスンの最後に出す練習課題を次のレッスン日までに自宅練習をして、クリアー出来れば次のステップへと進んでいきます。
 
毎回こちらで出す練習課題を次のレッスン日までにマスターして行けば、吃音を最短距離で治すことが出来ますが、自宅での発語練習にも個人差があります。
 
学生の方は比較的発語練習に時間をかけられますから、週2回のレッスンで進めていける場合もあります。
また、社会人の方は1日長時間発語練習が出来ないので、2週間に1回のペースの方がいい場合があります。
 
いずれにしても、レッスンを段階的に無理なく進めていますので、あせらず、じっくり自宅で発語練習をすれば、マスターすることが出来ます。

1回の治療レッスンの時間はどの位ですか?

1レッスンは45分ですが、自宅での発語練習が十分出来る方は、まとめて2レッスン行うことも出来ます。

スカイプやLINEなど、自宅でのビデオレッスンだけでは治らないのですか?

院内レッスンの方が、姿勢や口の開け方等の発声法の基本や高度な腹圧操作等など、正しい動きをチェックしやすく、指導しやすいのですが、遠方にお住まいの方で、長期に通うことが出来ない時は、10レッスン程度の院内レッスンを短期集中レッスンで行ない、その後は、自宅でのスカイプやLineなどのビデオレッスンにに切り替えて行くことは可能です。

40代でも吃音は治りますか?

40代の方は過去に吃音矯正の経験のある方が多く、吃音が治ることを懐疑的に捉えています。もっと柔軟な頭で吃音治療を捉えていただければ、吃音を治すことが出来ると思います。
吃音矯正理論をレッスンの中で、随時詳しく説明しますが、発語法・発声法の練習は、泳ぎ方や自転車の乗り方を練習することとまったく同じです。頭ではなくて、体で覚えることです。
極端に言えば、真似ることです。真似る力があれば、40代でも吃音は改善できます。

吃音は遺伝しますか?

遺伝はしません。
人は言葉を自分の周囲にいる人たちの環境の中で学んでいきます。言葉の持つ、リズム、テンポ、アクセントなどをまねて、オウム返しのように覚えていくのです。
したがって、自分が育てられた環境の中にに吃音者がいれば、吃音になる可能性があります。

発語リズムとは何ですか?

言葉を発するときのタイミング、リズム、テンポ等を総称したものです。
言葉を発する行為は動的なものであり、歩行、咀嚼行動などと同様にタイミング、テンポ、リズムを持っている行動です。潜在意識の中にインプットされているもので、正常にインプットされていれば、滑らかに話すことが出来ますが、「言いにくさ」を感じた発語を繰り返している内に徐徐に変化して狂いが生じます。
変化してしてしまった発語リズムの不正で、吃音症状が起こります。
発語リズムの不正を正しくすれば、吃音は改善できます。

「音の歪み」とは何ですか?

話す行為とは、吐く息に連続的に音を乗せる作業です。秩序と等しい間合いがある連続音で日本語が構成されるのです。「言いにくさ」を感じて発声器官に無理な力が入ってしまうと、勢いよく音を出すことが出来なくなり、語気が弱くなってしまい、調和のとれた連続音が途切れたり停止してしまいます。
実は、この弱い語気が吃音と密接に結びついているのです。「言いにくさ」を感じている音の前音は必ず、語気が弱くなっています。つまり、音が歪んでいるのです。そして、この弱い語気が「言いにくさ」を作っているのです。「音の歪み」を治すには、一音一音正確に音を出す訓練が必要です。
そして、この訓練のために単音腹圧発声法を行います。

単音腹圧発声法とは何ですか?

杉吃音治療院で行う発語訓練法の1つです。吃音症状のある人は、基本的な発声法が間違っています。正しく腹圧が使えないために強い語気で話すことが、出来なくなっています。
単音腹圧発声法を習得すれば、強い語気で話せるようになります。また、前述したように、「音の歪み」を治す方法でもあります。

文節リズム発語法とは何ですか?

杉吃音治療院で行う、もう1つの発語訓練法です。正しい発語リズムを身につける方法です。
習得すれば、テンポのあるリズミカルな話し方が出来るようになります。

腹圧操作とは何ですか?

呼吸には胸式呼吸と腹式呼吸があります。
発声にも胸式発声と腹式発声があります。
いくら、腹式呼吸を練習しても吃音を治すことは出来ません。腹式呼吸と腹式発声は、似て非なるものです。
杉吃音治療院では、一音一音を意識して出すことが出来るように、腹圧の使い方、力の入れ方、力のかけ方等を、時間をかけて練習します。
このことを腹圧操作と呼んでいます。
腹圧操作が理解できれば、単音腹圧発声法や文節リズム発語法の習得時間が飛躍的に早くなります。


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